【新唐人2014年3月29日付ニュース】3月1日、中国山西省で車42台が絡み、31人が死亡したトンネンル爆発事故が発生しました。地元当局は当初、事故による死亡者数を13人と発表し、物議をかもしました。一方、事故を目撃し通報した交通警察が、地元検察院に呼び出された翌日、高架橋の下で転落死しているのが発見されました。当局は自殺だと発表しましたが、民間では口封じのために殺されたのではと推測しています。
中国メディアの報道によると、3月21日午後3時、山西省の高速道路の、高さ300メートルの高架橋の下で、転落死と見られる男性の死体が発見されました。調査の結果、死者は山西高速の侯昱(こういく)という交通警察官で、3月1日に発生したトンネル爆発事故の目撃者である事が分かりました。
遺族によると、侯さんは3月20日午前9時、晋城市(しんじょう-し)検察院に呼び出され、午後5時に家に戻って来たそうです。帰宅後は一晩中眠れず、家族に「何か大きな事が起きる予感がする」と話していたそうです。しかし翌日の午後3時、死体となって高速道路の高架橋の下で発見されました。
事故の目撃者である侯さんの死亡について、官製メデイアは自殺の可能性が高いと報道。しかし、民間では多くの疑惑を挙げ、他殺の可能性が高いと見ています。ポータルサイト「網易」(もうい)には10万を超える評論文が掲載されていますが、ほとんどが「口封じのために当局が殺した」と非難しています。事件の反響があまりにも大きく、一部サイトは評論機能を閉鎖しています。
山西省大同市 王建さん
「疑わしいです。偶然すぎです。私個人が思うには絶対何かがあります。あれだけの大事故で、こんな偶然な事が起きるなんて、きっと汚職腐敗と関係あります」
山西省大同市 王利君さん
「真相を知っている人は早かれ遅かれ消されます。一部の事は知っていても、公開しないでしょう。警官であっても関係ありません」
また、侯さんが「自殺」させられたのは、トンネル爆発事故発生後の報道と関係があるとの見方もあります。事故は全人代開催前夜の3月1日に発生し、地元当局は一貫した控えめな処理方法で、13人が死亡したと伝えました。また、中央宣伝部を通じて全国のメディアに報道禁止令を出したのでした。
しかしその後、官製メデイア「新華網」が、国務院事故調査チームが山西省で開いた全体会議で、この事故で31人が死亡し、9人が行方不明になっていると報告したと伝えました。山西省当局が発表した死亡者数を遥かに超えるこの数字から、輿論は山西省当局の事故真相の隠蔽を疑っています。
山西省のあるネットユーザーは「重大事故が隠蔽されたが、誰の肝っ玉がこんなに大きいのか?庶民の生死を子どもの遊びごととしか見なしていない官僚は犬のようだ」と非難しています。
多くのネットユーザーは、侯さんが調査チームに山西省当局の隠蔽を告発したのが原因で、報復されたのではないかと推測します。
侯さんの死因について、民間では様々な推測が飛び交っていますが、「他殺の可能性が高い。しかも当局と関係がある」という共通点があります。
北京の時事政治ウォッチャー 華頗さん
「検察院に呼ばれただけで、生きるのをあきらめた?彼の死には疑惑があり、他殺の可能性も排除できません」
元河南省新郷市公安局警官 何祖華さん
「私の経験から言うと、この事件は表面から見ても、正常ではありません。目撃者の警官が呼び出されてから、こんな事が起きました。果たして本当に自殺なのか、或は他に原因があるのか、最近は自殺させられたり、失踪したりする事件が実に多いですから」
あるネットユーザーは、「当局は身内にまで手を出しはじめたのか」と嘆きます。共産党体制の経験者である河南省の元警官、何祖華(か そか)さんは、当局が警官に罪を着せ、身代わりにする事はあまりにも多いと指摘します。
元河南省新郷市公安局警官 何祖華さん
「現在全国の司法部門で、えん罪を着せられた人の中には警察、検察、裁判官、司法警察もおり、司法の腐敗による迫害を受けています。庶民はなおさらです。だからこの種の事は私に言わせれば、ごくごく『正常』な事です。あまりにも多いのです」
一方、ネットユーザーらは体制内の人に警告を発します。「未だに邪悪な集団のために働いている者たちよ、情勢を見極めなさい。そのうち、あなたも転落死の結末を迎えるだろう」
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/03/26/atext1088898.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/ 映像編集/)